Film01:「百円の恋」-痛い女の、いい意味で最後まで痛い挑戦劇
はじめまして、さりにしです。
物語が好きで、ひたすら消費しています。(消費という言葉が似合います)
消費するだけで抜けていってしまうのが悲しくて
せめて備忘録でも残せればと思い、ブログを始めます。
映画選びの参考の一助になれましたら幸いです。。
前書きはさておき。
第一稿は「百円の恋」です。
■タイトル:百円の恋
■監督:武正晴
■脚本:足立紳
■メインコピー:呆れるほどに、痛かった。
■鑑賞:2015年2月
■一行まとめ:30過ぎの引きこもりの主人公が、社会の荒波に揉まれながら、ボクシングで変わっていく話。
メインコピーが好きです。
「痛い」っていつから人の形容に使うようになったんだろう。
痛い人ってたくさんいますけど、
タイトルにも書きましたが、この主人公はとにかく痛い。
でも、最初と最後の「痛さ」は違っていて、
最後は、周りに何を言われても、ひたすらまっすぐな「痛さ」でした。
最後まで、いい意味で、「痛い」主人公が好きです。
【あらすじ】
主人公の一子(安藤サクラ)は、アラサーにも関わらず、いまだ定職にも就かず
親のスネにかじりつき、ひきこもり。
そんなだから家族には煙たがられ、
「口から下水みたいな匂いがする」なんて罵られる始末。
(「どんな匂いだよ…嫁入り前の娘にむかって…」と割と衝撃で今でも台詞を覚えています。)
ある日、妹が出戻ってきたことをキッカケに
遂に実家から追い出され、100円ショップでアルバイトをしながら、一人暮らしを始めます。
(題名はここから来てますよね。)
100円ショップでのアルバイトは、まさに社会の底辺。
ほとんどホームレスのような(見た目が)店員もいるし、
店の裏にはいつも、ホームレスのおばさんが売れ残りの食料をもらいにくる。
その出会いは、引きこもりで、自分の殻に完全に閉じこもっていた一子の世界が
開き、変わるキッカケとなっていく…。
主題歌は、クリープハイプの「百八円の恋」
主題歌も「痛い」の連呼でスキ。笑
---ここから先はネタバレあり---
「百円の恋」と題はついてますけど
そんなメルヘンなものではなくて、
現実は、「息が下水臭い」の台詞と同じくらい、
「そこまでやる?」て思うくらい、主人公をボロボロにします。
(レイプとか、冷たい恋人とか…)
30歳を過ぎるまで全く社会と関わりを持ってこなかったことへの
罰とか荒療治のようにも見えるんですが、それにしても辛い。
一子の現実は、酷すぎて
一子自身も、もう正直、後ろ指さされるくらい痛いんですが
家で引きこもっていたときの「痛さ」とは違う。
酷い現実でも、振り切るように前を向いて、
何か変わるかもしれないと必死でボクシングに没頭していく一子が、
「痛い」けどまっすぐで、少し感動しました。
夢に見たみたいな、少女漫画みたいな、
シンデレラストーリーなんて、そこら辺には転がってないよね、
とにかく必死に毎日生きるしかないんだよね、
なんか、「痛い」けど、自分の殻を突き破って突っ走る一子を見ていると
少し元気になる。
そんな、物語でした。
家でDVDで見ても良い作品だと思います。
ちょっと元気が欲しいけど、そんな夢物語は見れない、というときに是非。
さりにしでした。